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心肺運動負荷試験(CPX)

▶ 心肺運動負荷試験(Cardiopulmonary exercise testing)
 

心疾患患者において運動耐容能(身体がどのくらいまでの運動に耐えられるかの能力)は生命予後に関連しているということは多数報告されています。心肺運動負荷試験を実施することによって、運動耐容能を客観的に評価することができます。また、心不全・心臓リハビリテーション総合センターでは、安全に運動療法を行うための運動強度の決定に有用です。

 
心肺運動負荷試験でわかること
  1. 狭心症の検出・運動誘発性不整脈の評価
  2. 運動負荷を行うことによって、心筋梗塞につながる狭心症などを検出することができます。
    運動すると脈が飛ぶ、または乱れる、動悸がするなどといった不整脈症状が誘発されることがあります。
    CPXでは血圧や心電図をモニターしていますので、安全に運動負荷をかけられます。

     
  3. 運動耐容能の評価
  4. 人の呼吸回数は1分間に20回として1日で約28,800回、1回の換気量は0.5Lとすると1日14,400Lも呼吸しています。呼吸によって酸素(O2)を取り込んで、二酸化炭素(CO2)を排出しエネルギーを作っています。


肺から酸素が取り込まれ、血液にのった酸素は心臓に届きます。心臓のポンプを使って筋に届き、エネルギー源(糖や脂質)と酸素を使ってATP(エネルギー)を生み出します。エネルギーを作り出した副産物が二酸化炭素です。
先ほどとは逆の順序で二酸化炭素は筋→心臓→肺と体外へ排出されます。


CPXでは呼気ガスモニターを使用することによって、VO2(酸素摂取量)とVCO2(二酸化炭素排出量)を評価することができます。


CPXでは単独の臓器だけではなく、全身の運動耐容能を評価することができます。


 

心肺運動負荷試験の検査手順

・心肺運動負荷試験検査案内票PDFはこちら
 
検査当日

安静な状態で心電図及び血圧を測定し、呼気ガス分析用のマスクを装着します。
マスク装着の際、隙間などが原因で空気が漏れてしまうと、正確な結果が出ないため、きつくしっかりと装着します。
自転車に乗っていただき、サドル位置の調整、ペダルの装着、手の位置の調整を行います。通常のサドルより高めにしています。高負荷になっていく後半にしっかりと漕げるようにするためです。
検査が開始しましたら、一切の会話ができません。
検査開始後の会話はデータの誤差になりますので、検査終了後マスクを外すまでは体調不良などの緊急の場合を除きお話はしないでください。

Rest 3分

自転車に乗っている際の心電図や血圧のコントロールを測定します。

Warm-up 3分

負荷のかかっていないペダルを3分間漕いでいただき、自転車に慣れてもらいます。漕ぐスピードは一分間に50~60回漕ぐ速さで漕いでいただきます。

Exercise 5~10分

ペダルがだんだん重くなっていきます。漕ぐスピードはウォーミングアップと同じ速さを維持してください。
重症の心不全患者さんや急性心筋梗塞の後などを除き、基本的には漕げなくなる限界まで頑張って漕いでいただくことで、最大の運動能力を測定できます。

Cool down 2分

限界まで漕ぎましたら、こちらから終了の合図を出します。急に運動をやめると心臓に負担がかかり、体調不良の原因となりますので、2分間足を止めずに自転車を漕ぎ続けてください。

Recovery 2分

足を止めていただき、呼吸や脈、血圧などを落ち着かせます。心電図や血圧に異常がなければ、終了となります。


 

CPXから得られる指標には図1のようなものがあります。
CPXを実際に行うと図2のような結果が得られ、解析を行い図3のような解析結果を使用し、患者さん専用の運動処方を行います。



 
・CPXについてさらに詳しい説明はこちらから
・CPXの結果の見方についてはこちらから
・適切な運動強度についてのMETs表はこちらから
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